子どもの幸福を築く心の育て方:「心育」って具体的に何をするの?
子どもの幸福と健やかな成長を築くためには、心の育成が鍵となります。この記事では、心の育成を「心育」とし、「心育」とは具体的に何を指すのか、そして子どもたちの幸福を築くためにどのようなアプローチが効果的なのかについて探ります。
「心育」とは何か?
まずは、「心育」とは一体何なのかを理解していきましょう。
「心育」の基本的な理念
まず「心育」は、筆者が考えた造語です。
当法人では、子どもを育てる上で”脳育”にスポットを当てていますが、
脳の成長発達を適切に促すことと同等に、子どもたちの心を健やかに成長させることも重要と考えています。
そのため、”脳育”と並べて呼びやすく見やすいよう、子どもたちの心を育む方法を「心育」と名付けました。
心育の基本的な理念は、子どもたちの心の成長と幸福を促進するために、愛情、理解、尊重、安心感などの要素を取り入れることです。以下に、心育の基本的な理念に関するいくつかの要点を記します。
1.愛情と信頼関係の構築
子どもは愛情に満ちた環境で成長することが重要です。
特に幼少期は親や養育者との信頼関係を構築していく時期であり、
ここでの関係構築のやり方や基礎が、その後子どもたちが社会に出た時にも大きく影響していきます。
さらに親や養育者との強い信頼関係が、子どもの安心感や自己肯定感を築き上げていくのです。
2.理解と共感
子どもたちの感情や考えを理解し、共感することが「心育」の一環です。
親や養育者が子どもたちの視点を尊重し、感情に寄り添うことが重要です。
3.安定した環境の提供
安定感のある環境が子どもたちの安心感を高めます。
ここでいう安定感のある環境とは、住んでいる環境はもちろんですが人の環境のことも指します。
例えばママに抱っこされていると安心するとか、そういうのが人の環境です。
子どもにとっては、親や養育者は”安全基地”なのです。
そのような安全な環境を常に提供することが、心の安定につながります。
4.自己肯定感の構築
子どもが自分自身を肯定し、自尊心を持つためには、成功体験やポジティブなフィードバックが必要です。
心の基礎が急速に作られていく幼少期には、親や養育者からの適切なサポートを通じて、自己肯定感を育むことが重要です。
5.自律性の促進
子どもたちが自分で考え、行動する能力を育むことが望ましいです。それが子どもたちの「生きる力」につながっていくからです。
そのためには親や養育者が適切な範囲で子どもたちに自律性を尊重してサポートすることが必要となります。
これらの基本的な理念に基づいて、「心育」は個々の子どもの発達段階に合わせて柔軟に適用されるべきです。
親や養育者は子どもたちとの関係を築く際に、これらの理念を心に留めることが重要です。
心の成長における重要な要素
心の成長における重要な要素は多岐にわたりますが、以下にその主要な要素をいくつか挙げてみましょう。
1.適切で良質な声かけ
幼少期の子どもにおける「心育」で一番重要なのが、親や養育者の”声かけ”です。
声かけの方法や質によって、子どもが能力を発揮できるか否かが決まってくると言っても過言ではありません。
ここで重要なのは、良かれと思って子どもにかけている言葉が、実は逆の作用をしてしまっていることが大いにあるということです。自己流を過信せず、正しい声かけの方法を学んでいきましょう。
2.自己肯定感
自己肯定感とは、個人が自分自身に対してどれだけ肯定的な評価を持っているか、また自分を受け入れる程度を指す心理的な概念です。これは、自分自身に対する感情や評価、信じる感覚に関連しています。自己肯定感が高い場合、個人は自分に対して自信を持ち、肯定的な自己評価を保持しやすくなります。
反対に自己肯定感が低い場合は、様々な心理的・感情的な影響を受ける可能性があります。
それは対人関係への不安やストレス耐性の低さ、自分の感情がわからない、思っていることを伝えられないなど、社会生活を送る上での弊害となり得ます。
自己肯定感は生きていく上での心の基礎です。この基礎は大人になってからの生き方にまで影響します。
だからこそ、この基礎を幼少期に固めておくことが、将来的に子どもが持つ能力を発揮していくのに重要となってくるのです。
3.脳育
心はどこにあると思いますか?
ハートを連想して”胸のあたり”と考える人もいるかもしれません。
しかし正解は「脳」です。心も脳内にあるのです。
楽しい、嬉しい、悲しい、寂しい、相手を思いやる気持ちなど、すべて脳でやっています。
つまり、脳を育む=心を育む ということです。
だからこそ脳育と心育は切っても切り離せず、一緒に取り組んでいく必要があります。
「心育」を実践して目指したい姿
「心育」をするメリットや、「心育」を実践することで子どもたちがどのように成長するのかを理解していきましょう。
目指す姿を具体的に思い描くことで、それに向かうためにどう接していくかがわかるだけでなく、わが子の心の状態が健全か否かを判断するにも役立ちます。
心が健全に育った子の特徴
1. 自己肯定感が高い
健全に育った子どもは、自分自身を受け入れ自信を持ち、ポジティブな自己評価を持っています。
2. 感情の理解と表現ができる
健康な心の発達を遂げた子どもは、自分の感情を理解し、適切に表現することができます。
3. 他者との良好な関係が築ける
社交的であり、他の人とのコミュニケーションが円滑で、共感力や協力のスキルが備わっています。
4. 好奇心と学習意欲がある
好奇心旺盛で、新しいことに興味を持ち、学ぶことに対して積極的な態度を持っています。
5. 自己規制の能力を持つ
適切な行動や感情のコントロールができ、自己規制能力が備わっています。
6. ストレスへの適切な対処
困難やストレスに適切に対処でき、困難な状況にも前向きな態度を持っています。
7. 安定感
安定した環境で成長しており、信頼できる大人との安定した関係があることが一般的です。
具体的な「心育」のポイント
「心育」のポイントは、子どもたちの心の健康な発達を促進し、ポジティブな自己イメージや社会的なスキルを育むための具体的なアプローチです。以下に、「心育」のポイントをいくつか挙げてみます。
1.その子の存在を認める声かけ
子どもが何かに取り組んだ時に、できた事だけを認めたり褒めたりするのはやめましょう。
「何もしなくてもここにあなたがいるだけで素晴らしい」「生まれてきてくれてありがとう」
「ママとパパの所に来てくれて嬉しいよ」。
これが存在を認める声かけです。
できた事だけを認めたり褒めたりしていると、”できないといけないのだ”という思考になり、
子どもたちを苦しめてしまうことに繋がりかねません。
わが子が今ここにいてくれる奇跡に感謝して、それを本人に積極的に伝えていきましょう。
2.感情の理解と受容
子どもの感情を理解し、受け入れることをしていきます。
その際に、”親と子どもは全く別人格なのだ”という意識を持つことが重要です。
親は無意識に、子どもは自分よりも下の立場だとか、親と同じ考えをしているだろうと捉えてしまう場面があるかもしれません。
しかし、子どもも立派な一人の尊重されるべき人間です。その意識をまずは親や養育者が忘れないこと。
その上で子どもが何を考えているか、何を感じているかを、親の押し付けなしに理解することが重要です。
子どもの感情表現を受け止め、自分自身の感情を言葉で表現する機会を与えてあげましょう。
3.適切な刺激と経験
自らの体験や経験は、非常に刺激的で最高の学びです。特に自然体験は、子どもの脳と心を育むのに必須となってきます。
家の中や学校などで遊ぶのもよいですが、積極的に外に出て違う環境を味わうことは、それ以上の価値があります。
豊かな経験と適切な刺激が子どもの脳の発達を促進していくので、積極的に出かけたり新しいことを提供していきましょう。
まとめ
「心育」は、子どもたちが生涯に渡って心健やかに過ごすための基礎となります。そのためには、幼少期に親や養育者がどのように接し関わっていくかが非常に重要です。
毎日わが子にかける言葉の一つひとつで子どもの心は育っていくことを決して忘れず、丁寧に子どもと向き合っていきましょう。
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